丘の上だより

受容か、排除か

無農薬栽培をしている人から、「虫は手で取って潰してます、自然農ではどうするのですか?」とよく聞かれるけれど・・・。

自然農は「虫や草を敵とせず」です。
基本的には虫を手でとって潰す、というようなことはしません。手で取ってよそに放ることはあります。あまりにも小さな幼虫だと手でさわると潰れますが。
でも、虫に食べられて全滅、なんてことはありません!
ここで、草が活躍してくれます。
虫は草も食べています。だから草を敵とせず野菜の周りに草がいっぱいあり、いろんな野菜を混植している自然農の畑では、虫も草も野菜もみんな一緒に「食うか食われるか」って遊んでる感じです。

耕して草を排除し、一か所に一種類の野菜を栽培する、というようなことをするとそれはもう当然虫はその野菜めがけて一直線でしょうね。

これはケールですが、中央のケールは虫に食べられて散々な状態ですね。
でも、周りのケールは元気に青々としています。
(この畑は最近まで竹林で、そこをユンボで押して畑にしたところですので、決して豊かな自然農の畑とは言えません。が、それでもこんな感じです。)

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ケールもキャベツもブロッコリーも畑に定植したものは全体的に2~3割くらいが上の写真のように虫に食べられています。毎年だいたいそんな感じです。

今年はまず、定植後すぐに大きなカマキリ(このカマキリ、捕まえて遠くに放ってもすぐにまた畑に飛んでくるのです)にやられ始め、慌てて写真のように根元にアルミ箔を巻きました。こうすると食べられなくなったことがありましたので。
でも今年のカマキリはとっても大きくてアルミ箔の上の葉っぱにも届いたらしく半分近くがほぼ葉っぱのない状態になりました。でも、その後また葉っぱも生えそろい、今、犯人は青虫などの幼虫に変わりました。

でも、その青虫に食べられた葉っぱも下の写真のようにまた少しずつ生えてきているものもありす。

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そして、今も大きな青虫に食べられてる葉っぱもあります。写真中央少し上に青虫がいるのわかりますか?

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自然農の畑はこんな感じです。
何者も排除せず、全てあるものをあるがままに受け入れる。
そして、そのことがとても心地よい。

自然農は小手先の農業技術ではありません。携わる人の生き方に関わり、生き方を変え、その人自身も変えます。

私も自然農のお蔭で自分自身と人生が変わりました。
今は今の暮らしをとことん楽しんでやろうと思っています。

嫌いな言葉ではありますが、「勝ち組、負け組」って言いますよね。
私は「人生を楽しく遊べる人が勝ち組」だと思っています。お金があるとか、権力があるとか、そんなしようもないことではなく。
ま、お金を稼ぐのが楽しい、と言う人もいるでしょうから、そういう人はいくらでも稼いで楽しんでいただけばいいと思いますが。

自然農はいいですよぉ。
お金がなくても楽しく遊んで美味しくて安全な野菜を食べることができます。
正に、一石二鳥!
「勝ち組」を目指す人、いらっしゃーい!

ウサギごっこ!?

三獣(イノシシ、アナグマ、ノウサギ)除けの完璧な防護柵を作ったと
自負しておりましたが、なんとなんと、一番「ありえんやろ?」というノウサギに
突破され続けております

160828ネットを咬み破り侵入を繰り返して大好物の大豆を貪ります

私はこんなふうにネットにあけられた穴を探しては繕い、繕っては別の場所を破られ、
を繰り返しております
ネットを繕っているとイノシシだ!アナグマだ!ノウサギだ!(これに今ではサルも加わりました)と、根競べ、知恵比べ(ほぼ連敗中)のイタチごっこを繰り返している自分が笑えてきます
まるで、「まんが日本昔話」のワンシーンを見ているようなネットを繕う自分の後ろ姿・・・
もう、笑うしかないですね

サルが現れてからこちら、これほどのストレスにはかなわないと感じていたけど、
なんだかノウサギのストレスを笑えたらサルのストレスも笑い飛ばせそうです

そして、もう一つおもしろい話
私、自分は大した働き者だと常々自負しておりましたが、しかし、
よそ様の目には「いいねえ、貴女は、年金があるからなんもせんでいいもんね、自分たち農家は死ぬまで働かないかん」と映っているようで・・・
そして、永遠にお百姓さんの仲間に入れてもらえそうにもない

いや、まてまて、私120まで働くつもりなんですけど?

しかし、愕然としながらも妙に納得のいく話で
働く=お金を稼ぐ
という、なんだろう、常識みたいなもの?
これはもう「日本昔話」ならぬ「日本不思議話」かな?

いやいや、働く=お金を稼ぐこと、という常識をおかしいと感じる私自身が
「日本不思議人」なのかな?(笑)

見納め?

サルはついに丘の上の畑に入り、熟れ過ぎたキュウリを持ち去っていたわけですが、
よくよく見渡せばあったはずの里芋の葉が見えず、
そばまで行って愕然!
すっかりきれいに持ち去られておりました。
葉っぱだけ残して。

里芋はあと1ヵ所、新しく借りた畑を残すのみとなりました。
すっかり弱気になっている私はこの光景、見納めと思い、写真に残しました。

「赤芽」という品種の里芋です。
実に立派に茂っています。
枯れ始めたので毎日の潅水を欠かしておりません。

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こちらはピーナッツ。
アナグマから守り、カラスから守り・・・
そしてついにサルに奪われるか?
と、どこまでも悲観的な私(笑)

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野生のサルと付き合うというのはどういうことか?
これまで神様からたくさんの宿題をもらったけれど、
今回が一番の難問。
答えが出ない。
答えを求めて、声が欲しくて、毎日畑で自問自答を繰り返しているけれど・・・。

確かにサルが現れる前は、サルが出たら止めよう、と思っていました。
でも、いざこうなってみて、こんな楽しいことそう簡単に止められるか!
との思いが強く・・・。かといって良い対策もなく。
そんな中で今年、「イヌビワ(ヤマイチジク)」がたくさん成っており、いつもは鳥に食べられるのにそんなこともなく。
それで昨日、アンナちゃんと二人沢山摘んでジャムを作りました。

ジャムにする前

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ジャムにすると・・・

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そして、思った。

サルに収穫を奪われても、干ばつであらゆるものが枯れていっても、
こうして神様は何かをいつも準備してくれている。
普段口にすることのない野生の果物の美味しいこと!

野生動物と付き合うとはこういうことかもしれない。
つまり、どの道、自然農とは労働を全て食に代えることはできないのです。
気候次第、環境次第。
そういうものと、つまり、野生動物も含めて自然とどう折り合いをつけていくか?
なのだと。
労働を全て食として手にすることはできずとも、食以外のものを大いに私は手にしてきたではないか。
自然への畏敬の念、自然への感謝の心

うん、やっぱりこんな面白い事止められんわい!